【書評】三浦哲郎「忍ぶ川」(新潮文庫)

f:id:radiomikan:20130306231747j:plain

本作は芥川賞受賞作で映画にもなった作品。

表題作は全体的に「生きる意志の強さ」が感じられる作品だった。場所は、東京の洲崎(一時期は遊郭だったという)という街が出てくる。東京の失われた風景が読んでいて伝わった。

 

同書に収録されていた作品で「驢馬」という作品は他の作品とテイストが違う異色作。満州人留学生を主人公にした作品で、舞台は戦時中の日本。「忍ぶ川」とはかなりカラーの違った感じであった。